慈済日本のサイト

04月16日
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大地の呼吸を助けるインターロッキングブロック

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【地球と共生する】               
その二・資源回収をはじめよう
一九九九年の台湾中部大地震の後、私はしきりに考えました。どうして地震が起こるのだろう。大地はもうどこもかしこも傷だらけなのだろうかと。とくに都会はいたるところアスファルトで、地面はほとんど息ができません。皮膚の毛細管がつまると、体内の水分や熱気を排出できないため病気になります。地面も同じです。大量のアスファルトやコンクリートで覆われた地面は、雨水を回収することも地中の熱気を発散することもできず、病気になってしまいます。大地震はまるで密封した皮膚が突然はちきれたようなものでしょうね。

それで大愛の家を建てる時、私は大地が呼吸でき、雨水を回収できるようにすべきだと提案しました。その後慈済の建築にインターロッキングブロックが用いられるようになりました。インターロッキングブロックだと雨水はたちまち浸透して大地に返ります。また、インターロッキングブロックは回収して再利用できるので環境保全に適っています。

私が述べた意見は果たして科学と符合するかどうか分かりませんが、ともあれ心が安らぎます。

インターロッキングブロックを敷くのはたいへんきつい仕事ですが、大勢のボランティアの手でつなぎ上げられました。一つひとつのブロックには愛がこめられています。お年よりと子ども、慈誠隊員(慈済の男性ボランティア)と委員、地域のボランティア、それに医療スタッフなどなど、誰もが大地をいたわる仕事を喜んで引き受けたのです。こうしてさらに多くの人を啓発することができました。

ですから私はこれを愛の連鎖と言っています。一つひとつのブロックを汗水流してリレー式で敷きつめ、やっと築き上げた愛の舗道なのです。


THINKING 61
皮膚の毛細管がつまると
体内の水分や熱気を排出できないため病気になる
地面も同じことで
大量のアスファルトやコンクリートで覆われた地面は
地中の熱気を発散することができず、病気になってしまう


文・證厳法師
訳・慮慇