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04月20日
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ホーム 證厳上人 衲履足跡 道心を固く守る

道心を固く守る

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【衲履足跡】
慈済人はリタイヤしない。自分の道心を固く守り、さらに他の人の道心をも支持する。

新旧の入れ替えではない
「経験豊かな慈済人は、新入者を歓迎して寄り添い、導いてゆく責任を担うべきです。新旧の入れ替えではありません」と、法師さまが座談会の時にお話なさいました。心がければ必ず成就する。慈済の奉仕に専念すると同時に、仲間たちにも関心を持つことができたら素晴らしいことです。「もしも皆が菩薩の心で人を見れば、人も菩薩に見えるでしょう。会員が心を一つにして初めて円満な団体となります。

景気が悪いから献金をやめると言う人がいます。法師さまは、高雄の蔡秀琴さんが貧しい生活を送っていても、何とかして献金していることについてお話なさいました。

重度の障害を持つ孫を世話する秀琴さんは、廃品回収で一家の生活を維持しています。このような境遇でも竹筒貯金箱に小銭を入れることを忘れません。それを貯めて、毎月五、六百元を寄付します。

フィリピンの貧民街に住んでいる人たちは、長期に慈済のケアを受けていますが、「竹筒歳月」の貯金活動に加わって、わずか三カ月の間にためた小銭は大きな甕一杯になりました。

善事を尽くすことは、金持ちだけの専売特許ではありません。心ある人の心尽くしにあります。「竹筒歳月」の活動は善行の種を一つ一つの心田に植えつけ、人々が善事に参加し奉仕できる機会を造るためです。

四十年前の台湾も貧乏でした。それでも大勢の人が毎日五十銭を竹筒に入れて人を助けました。現在は、世界的な不景気に見舞われていますが、少しの小銭を寄付することは生活に影響せずに貧困に苦しむ人たちを助けることができます。「人々が愛の心を持ち続けてくれることを期待します」と、法師さまのお諭しです。

慈済人はリタイヤしない
「一日の菩薩は終生の菩薩。固い決心で自分の道心を守る上に、他人の道心をも守らなければなりません。経験豊富な慈済人が、歳をとるとグループからはずれるのは惜しいことです。続けて精進して、さらに多くの人を慈済の菩薩道に導き入れるように努力しなければなりません」と、法師さまが励まされました。

慈済に入ったからには、リタイヤはありません。古参の慈済人が、慈済のために何々を奉仕したと口にするよりも、慈済のおかげで奉仕の機会を得たと感謝の念を抱くべきです。「無量義という法門が目の前に現れて、それにより大なる智慧をもらい、物事の道理が理解できると感謝しなければなりません」と法師さまはおっしゃいました。

凡夫は、深く考えないから、他人に怒られるとすぐ悪い言葉を返しがちです。そして結局、対立してしまいます。高慢な人に出会った時は、なおさら感謝と寛容の心がけで応対して、自分の修養を高めるべきです。高慢な人は皆に嫌われますが、逆に思いやってあげましょう。

台湾語に、「湊脚手」(みんなで協力して共に励む)という言葉があります。慈済人は、このような一心同体の心をもって助け合ってほしいのです。

「人に指示するばかりの権威者にならないように気をつけましょう。修養の高いリーダーになれる人は、人のリードも受け入れます。与えられた任務を喜んで受け入れれば、人にも尊重されます」

刹那を永久に
「団体の美は、一人ひとりの団結心からなるものです。慈済人はみんな生い立ちも生活習慣も異なるのに、足並み揃えて前に進んできました。団結の美を現しています」。台湾中部の慈済委員(慈済の幹部会員)、慈誠隊員(男性ボランティアチーム)が研修会を終えて、静思精舎を訪問しました。「円縁」(終了式)の式上で、法師さまは次のようにお諭しになられました。「慈済世界にあなたたちが存在しているからこそ、このように大きな団体になれたのです」。

その中に慈済台中病院の部長が何人もおられ、法師さまはとても喜ばれました。「以仏心為己心、以師志為己志」(仏の心をもって己の心とし、師の志をもって己の志とする)の精神で、志業を自分の生命の一環として菩薩道に精進してくださいとお励ましになられました。

「生命は最も尊いものです。慈済病院は衆生の愛の心で築き上げたのです。このような意義ある建設、良い環境に恵まれている医療スタッフが、奉仕の心をもって積極的に生命を救うよう励んでほしいです」

慈済の医療志業は営利のために建てたのではありません。生命を守り健康や愛を培う所です。仏は心の中にあり、法は行動の中にあります。皆様が発心を永久に維持して、日々精進に励むようにと、法師さまは願っておられます。


慈済月刊五〇五期より
文・釋徳凡/訳・慈憙
 

" 【病のために貧しくなる】 貧困はほとんど「病」から起こる。時を移さずに病の予防や治療を施し、助けを受けた人たちが、再び立ち上がって家庭の責任を負うことができるようになれば、その家庭は元気を取り戻す。 "
静思語