慈済日本のサイト

07月20日
  • Increase font size
  • Default font size
  • Decrease font size
ホーム ドキュメンタリー 庭野平和賞 證厳上人の庭野平和賞受賞式に臨んで

證厳上人の庭野平和賞受賞式に臨んで

Eメール 印刷
5月10日(日)10:30より東京有楽町にある日本外国特派員協会において

国内外の宗教関係者、文化人、報道関係者が見守る中、第二十四回庭野平和賞受賞式が行われました。今回の受賞者である證厳上人は健康上の理由で来日できず、何日生氏、謝景貴氏と劉釣安氏の三名が代行されました。

開会の祈りの後、庭野平和賞委員会委員長のグナール・スタルセット博士から選考結果と理由が述べられました。元ノーベル平和賞の選考委員でもいらっしゃった氏から慈済基金会の「四大志業八足印」が紹介され、国境、人種、宗教を超えて佛教の教えと精神を以て貧困や病気や災害で困窮している人々の救済活動を行なってきたこと。そして、佛教と医療との伝統的な関係を変えたということが受賞の主な理由であると述べられました。続いて庭野平和賞総裁庭野日鉱氏より平和賞の贈呈と挨拶がございました。社団法人シャンティア会会長若林恭英氏、台北駐羅坤燦氏、財団法人日本宗教連盟杉山一太郎氏らの祝辞の後、證厳上人の記念講演を何日生氏が代読されました。最後に平和の祈りで受賞式は終えられました。

多くの方々から祝福されたこの受賞式を通して、少しでも慈済基金会の精神をお伝えできたことはこの上もない喜びであります。環境、教育、心等の諸問題は世界が抱えている社会問題です。この度の受賞の意義は、慈済がこれまでにどのようにしてこれらの問題を直視し、澱んだ流れを清流に変えてきたかの実例を皆様に少しでもお伝えできたことです。これによって善の循環が広まり、世の中に一人でも幸せな方が増えることを願っております。そして現に日本で生活している慈済の一員として、その責務の重さを感じずにはおられませんでした。


立正佼成会の各機構の取材に随行して

翌日、この受賞式の取材で来られた大愛テレビのクルーたちに伴って、庭野平和賞財団の基である立正佼成会の主な機構を見学して参りました。

立正佼成会は昭和13年に庭野日敬師によって創立。法華経の精神に基づき、心田を耕して世界平和の実現を目指している在家宗教団体です。教育、医療、出版、慈善、芸術等の機構を営み、法華経の精神を顕現しております。近年、一食を節約して貧しい国に食物や毛布などを送る「佼成会―一食平和基金」を設立し、その運動を広めております。

朝8時半に外務部の関谷さんと大聖堂の前で待ち合わせ、佼成中学校、高校へ案内して頂きました。榎並校長、神谷教頭が自ら学内を紹介して下さり、質問にお答え下さいました。まず案内されたのは、中学三年の書道の授業で、ちょうど生徒達は静かに硯に向って、一心に墨を摺っておりました。ここの書道は墨汁を一切使わず、十分ほど墨を摺ることから始めるのです。それは気持を落ち着かせ、集中させるためです。何もかもスピードや便宜さを追求する昨今の社会において十分でも無心になれる機会を生徒に持たせることはとっても貴重だと思いました。その後、理科と国語そして体育の授業を拝見させて頂き       

ました。宗教観念をどのように教育の中に取り入れているのかという質問に対して、『道徳の時間や総合学習、講演などを通して学生たちに伝えており、また修学旅行で沖縄へ行った時に実際に戦争の残虐さを実感させ、平和の大事さを考えさせるのです。』と榎並校長はおっしゃいました。苛め予防とか対処は、先生と生徒が共に食事をし、一緒にお掃除をすることを通して学生達の気持を常に把握している他、先生と生徒の交換日記を行なっているということでした。人への思いやりをもち、人の為に自分は何ができるかということを常に生徒たちに考えさせているというのです。

教育が問題視されている今日この頃ですが、このように生徒たちに対し心を尽くして指導することができるのは宗教精神のなせる業かもしれません。学校はゴミ一つなく、きれいに生徒たちが掃除しているのです。体験によって人格の向上をはかり、学問による知識の増上をはかる「行学二道」が教育のモットーだそうです。

次に案内されたのは佼成会病院でした。私たちは緩和ケア―ビハーラ病棟を見学させて頂きました。そこは末期癌の患者の病棟で、立派な仏堂が二つありました。大きい方の仏堂には立派な釈迦像が建立され、職員が毎朝お経を上げ、お勤めをされているとのことでした。小さい方の仏堂は患者やその家族に提供している祈りの場です。患者は信仰の有無にかかわらず、自然と仏様に手を合わせ、安心を得ているようです。ターミナルケアとしてのホスピスは近年増えてきましたが、祈りの場が備わっているところはそう多くはないように思います。人間が最終的に魂を託する場として、自分の命の終焉を受け入れる場として欠かせないところかもしれません。

最後に訪れたのは佼成出版社です。そこで人を啓蒙する本がたくさん出版されており、特に法華経の解釈書がたくさんありました。

日本語のみならず、英語、フランス語、ロシア語等などと多くの言葉に訳された法華経がありました。童話もたくさん出版され、賞を受けた作品もありました。その他毎日曜日に発行される佼成新聞もそこで編集されております。

今回の一連の行事を通じて、地球共同体の一員として、みんながそれぞれに世界平和のために何ができるのか、どのようにしてこの地球を守っていかなければならないのか、立場を超えて考え、協力し、実行していかなければならないと実感させられました。
 

" 不殺生はすなわち仁であり、仁とは愛である。万法すべて愛の心より生じ、すべての善行は愛を離れることはない。仁愛の心があれば殺生するに忍びなく、さらに積極的に一切衆生を守ることができる。 "
静思語