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07月22日
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無量の大愛を末永く伝えよう

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【證厳上人のお諭し】
四十六年来
慈済人は世界七十一の国と地域で
物資を支援するだけでなく
真心で奉仕してきた
慈済人が足を運んできた
至る所が愛に溢れ
平和であるように―― 毎年の年末、慈済の大家庭に新しいメンバーが加わります。今年の十一月下旬には中国、マレーシア、ミャンマー、米国、カナダ、英国、フランス、南アフリカ、レソト、ジンバブエから一千五百人以上の新参の菩薩が、心の故郷花蓮へ慈済委員の認証式に参加するために帰ってきて、道場の中は互いに会えた喜びに溢れていました。

海外に住む慈済人が台湾へ帰ってくるのは容易なことではありませんが、お互いが心を一つに「静思の法脈、慈済の宗門」を共同の法として精進し、身を以って実行しているのは、何とも得難いことです。

委員の認証を受けた時、多くの人は感極まって涙を流し、世世師匠に従って慈済のために尽くすこと、居住地でさらに多くの慈済の種子を育てることを発心立願しました。私はこの世に愛と希望のあるのを感じて感動しました。

「静寂清澄、志玄虚漠」は仏陀の心霊の境地です。これはまた、人にもともと具わっている本性でもあります。善を心にと発願したからには、正確な人生の方向を見つけ出し、「守之不動、億百千劫(億百千の劫でも不動を守る)」ことを願わねばなりません。正しいことはやれば間違いはありません。愛の心を広く啓発し、菩薩の種子を「一から無量に生じ、無量はこの一から生じる」にするべきです。


真善美を心に
心霊を浄化し
悪習を絶ち
善人になるとの信念で
善事をなす

慈済宗門に入るには、まず見習い委員として訓練を受け、無明煩惱をなくし、過去の悪習を改めてから慈済委員、慈誠隊員の認証を受けます。

今年はフィリピンの現地ボランティアが認証を受けに来ました。その人たちは二○○九年にマリキナ市を襲った台風十六号がきっかけで、慈済と縁を結びました。当時、慈済はマリキナ市の復興支援として、被災者雇用制度を採って、被災地の清掃をしました。この労働で得た賃金で被災者の生活は安定し、被災地は速やかに活気を取り戻すことができました。

慈済人はこの時、多くの人が定職を持たず、終日酒や麻薬、賭博に溺れているのを目にしました。そこで忍耐強く心を通わせながら、暮らしの世話をしてきました。こうして二年の間に育まれた現地ボランティアは、慈済の愛が純粋なものであること、法は真であり、慈済人が和を尊びお互いに協力し合うことの美しさに心を打たれ、悪習を絶って菩薩の道場に入り、慈済の法門に勤め励むことを発願しました。

フィリピン現地ボランティアのナニリタさんは地方の有力者で、選挙活動に没頭していました。以前は支援する派閥の違いによって多くの人の怨みを買うこともあり、人脈作りの交遊のため酒や煙草もやりました。慈済ボランティアの訓練に参加してからは、深く懺悔して、選挙活動を環境保全活動にかえて、千人以上の会員を募り、五十人以上の見習い委員を育成しています。

ナニリタさんは訪台して證厳上人にお会いする願いを成就させるために日々お金を貯め、いろいろな手続きを経てきました。板橋支部で證厳上人から委員の認証を受けた時、感動のあまり涙を流していました。この一刻に彼女は生まれ変わりました。この世にまた一人の菩薩が誕生し、さらに多くの人に影響を与え、大地を護る人が増えたのです。

慈済はマリキナ市で環境保全ボランティアを率いて、その人たちの価値観を変え、自己を清浄にして心霊に環境保全を施し、さらに大地の環境保全に尽しています。今年の九月、マリキナ市は再度風災の被害を受けました。洪水の去った後、家々では自発的にゴミを回収し分類して、慈済人が集めに来るのを待っていました。二年前に被災した時に怨んでいた様子は、露ほども見えませんでした。

人間(じんかん)菩薩のいる所に力が湧いてきます。この現地ボランティアは物質面では貧しくとも「貧の中の富」があります。勇敢に心を改め慈済の善念に投入したことに心を打たれました。


この世を以って
道場と成す
おおらかな愛で奉仕し
愛の種子を
代々伝えよう

善念と愛の心は一朝一夕で培えるものではありません。長い年月を必要とします。

四十六年前に慈済宗門の設立に力を尽くした古参菩薩の初発心と愛に感謝しています。その人たちは法を心とし、法を行いで実践し、静思法脈を伝承して慈済宗門を広め、休むことなく新参の菩薩に付き添って精進し、慈済に投入してきました。

慈済人はこの世を道場として、人々の中に入って善法を広め、迷っている人を目覚めさせるだけでなく、正しい潔白な人にはさらに「人間から菩薩に」なるように勧めています。

南アフリカのレソトで懇意にしている弟子たちがいます。現地で商売をしている台湾人です。彼らは慈済の種子を南アフリカに持って行き、その土地を愛し現地の住民をいたわり、慈善奉仕を共にするよう導いています。

お互い民族も宗教も違い、異なる言語を話しますが、忍耐強く真心で当地の人たちに奉仕し、大愛テレビで私が説法する番組を流して聞かせます。説法は台湾の言葉を英語に訳し、さらに英語を現地の言葉に訳しています。人々の智慧を啓発して貧窮苦難の同胞に奉仕するよう導きたいと努めています。

慈済人は現地ですでに五千人以上の現地人ボランティアを導き、その数は絶えず増加しています。現地の暮らしは一般に豊かでなく、台湾へ来ることは容易なことではありません。しかし南アフリカの慈済人は彼らの願いを叶えさせてあげ、毎年委員の認証を受けに台湾へ帰ってくる菩薩は年々増えています。

南アフリカの慈済人が大願を発し、現地でまいた種が今成長し、慈済人と共にエイズ孤児や貧しい人を世話して奉仕していることは感謝に堪えません。この人たちの生活は豊かではありませんが、心に愛と富のある真の人間菩薩です。

慈済は一つの大家庭です。家族が互いに関心を寄せあうことを期待しています。心を清め、おおらかな愛で奉仕し、さらに衆生を済度(さいど)して菩薩道へ導き、愛の種子が代代に受け継がれ、法がこの世で応用されることを願っています。


現地の菩薩を啓発し
その地でまいた種の因縁が実り
愛のある人が多くなれば
天地は平安になる

今年の十月、中南米の国々がハリケーンと熱帯低気圧に襲われました。グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルで深刻な洪水が発生し、八十万人以上の人が被災、九万人以上の住民が立ち退かざるをえませんでした。

一九九八年にハリケーン・ミッチが中南米を襲った時、慈済人は初めてこの地を訪れ実地調査をしました。台湾の慈済人は「中南米に愛の衣服を届けよう」のスローガンを立てて衣服を募り、六十個のコンテナで衣類を送りました。その時にまいた種は十三年来徐々に成熟しています。

この度の風災が去った後、米国の慈済人は調査に訪れ、速やかに一回目の配付を行いました。慈済はホンジュラスにトウモロコシ粉と生活物資を二千世帯の被災者に送りました。このすべては慈済委員の張鴻才さんが現地のボランティアを率いて一手に引き受けて行い、息子の佑勤君も父親を手伝いました。

十一月十三日のチョルテカ市配付の現場で、張さんはパーキンソン病を患っているクロラおばあさんが手足を震わせて入ってくるのを見て、息子を手伝いに行かせました。佑勤君は優しくおばあさんを抱き上げ、配付物資を受け取るまでずっと付き添いました。

おばあさんは、自分の孫よりも親身になって世話をしてくれる青年に感激し、「あなたのしていることに対して神様のお返しがありますように」と神に祈っていました。感動して頭を垂れてすすり泣きを始めた佑勤君に、おばあさんは震える手で軽く肩を叩いて抱きしめる場面は、実に温かく感動的でした。

張さんは「家では模範を示さねばなりません。『父は慈しみ深く子は孝行であること』の倫理教育をしています」と言います。張さんはそれをやり遂げました。ホンジュラスの慈済人は少ないので、体の具合が悪くても、貧しい人や被災者のため奉仕しています。お年寄りを尊重し、人には感謝と愛で接するべきだと教える教育は、若者を無私の奉仕に導き、愛の種が芽を出しました。

衆生が苦難に喘いでいる時、地面から湧き出す菩薩が災難を鎮めてくれます。異なる国土で慈済人がその土地で苦を担い、愛の種子を広くまき、根を張らせるよう願っています。絶えず福の種をまけば菩提の林に茂らせることができます。愛の心を持つ人が多ければ、その地方に平安をもたらすことができます。


闊達な心を以って
福を植えよう
万難を克服し
愛の心を啓発して
奉仕に励めば
人々に福をもたらす

今年の三月、日本は甚大な地震と津波に襲われました。日本在住の慈済人は少なく、支援活動を担うには苦労がありました。十一月初め、慈済は八回目の住宅被害見舞金の配付をした時は、日本支部の女性ボランティアが担当し、重い物も肩に担ぎあげていました。それを見た日本の人たちは感動して、多くの人がボランティアに加わりました。その中で宮城県塩釜市の佐藤昭市長は、慈済人と一緒に会場の整理などをして下さいました。

愛の力は、人々に無私の大愛を啓発することができます。慈済人の発心と奉仕に感謝します。苦を恐れずに苦を福と言っています。福を多く植えることができれば、人生には福が訪れます。

地球の人口がますます増える一方、人心は迷い、倫理道徳は失われています。人口がますます増えると業力もますます重くなり、災難はさらに密集して襲ってきます。異なる民族、宗教の人たちが異なる国土で、環境の不調和による天災や人による人災の中で難民と化しているのは、実に胸の痛む悲しいことです。

人間菩薩の大募集を行いましょう。雲の間から菩薩たちが湧き出て、万難を排し苦難の地へ入って闊達な心で人のために福を植え、人々の愛の心を啓発し、清流の輪が回ることを願っています。

さらに人々が正法を聞き、正法を行い、正法を全世界に向かって推し進め、迷っている人を正し、清く明るい世界のために力を合せれば、愛の地球村をつくることができます。


菩薩の防護網を広げ
富める者を教え貧に施す
愛の循環を累積させよう

二○一一年一月から、オーストラリアの洪水、パキスタンの水災、ニュージーランドとチリの地震、東日本大震災、最近のタイの大洪水、トルコの地震、中南米の水害と、ほとんど一カ月毎に大災難が続々と発生しています。天地の災難が急を告げ、とても心配です。

災難が頻繁に起きている時に際して、人々に期待するのは是非を明らかに、慈悲の心を養い、大懺悔をして、無明の中で智慧を向上することです。人間菩薩の網を普遍的に広げ、菩薩のいる所に苦難の衆生が救いの機会に恵まれることを願っています。

慈済は世界各地で慈善奉仕を展開しています。富める人に貧に施すよう教え、救済と同時に「竹筒歳月」の慈済の歴史を紹介しています。慈済は四十六年前に、三十人の家庭主婦が毎日五十銭を竹筒に貯蓄してきたことから始まります。現在の人助けの力はすべて世界から一滴一滴と集まってきたものです。

苦しんでいた人が慈済の愛を受けてから、喜んで自分から人助けに力を発揮している姿を見ました。それは慈済ボランティアは、救済は一時的なもので、ただ精神を奮い立たせれば、誰でも人を助ける力があると励ましているからです。自身の心にある愛の種を啓発すれば、その一粒の種は無量になることができます。

人々が愛を累積して法水を己の心に引き入れて心を清め、悪習を改めることができたなら、家庭は温かくなります。こうして人々が慎み深ければ社会は平安になります。世の人々の心が清らかになると、法輪は回って四大を調和させて災難を消し、大地は安らかになります。



宇宙の道理はどこにあるのでしょう。道理は簡単で、力行することは難しくありません。それは愛です。

愛を大きく広げると世の中を利することができます。かりに愛を縮小すれば個人の範囲内に止まり、すべては自分のためで、それは凡夫の貪婪な愛になります。

慈済は四十六年この方、世界の七十一の国と地域で物資の援助だけでなく、真心で奉仕を行い愛の種をまいて参りました。その種がその地で苦難の人の苦しみを取り除くことを期待しています。

この世で起きている重ねがさねの危機に、苦難の人たちが喘いでいる時、人間菩薩はすかさず呼応し奉仕しなければなりません。清らかな智慧と無量の愛を世界に広く伝え、人々の心に広大な大道を敷いてゆきましよう。


◎訳・慈願
(慈済月刊五四〇期)
 

" 【反省する】常々己を省みて、過ちを犯さないようになれば、解脱して自在を得る。 "
静思語