砂漠の中の泉

2016年 1月 15日 慈済基金会
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證嚴法師の論述:「自分だけが幸せになることは、真の幸せではない、周りの人がみんな幸せになることこそ、本当の幸せです。」と聞いたことがあります。

今のシリア内戦はまさにこのお言葉を反映しています。シリア内戦は、近隣諸国だけではなく、ヨーロッパ諸国にも大きな影響をもたらし、チュニジアで起きたジャスミン革命の引き金にもなったと伝えられていた。

今年の七月までに、シリア難民は四百万人を超えました。国連や多くの非営利目的団体が支援を展開しています。ヨルダンやトルコ、ヨーロッパにいる慈濟ボランティアも、少ない人数の中で、物資支援や語学教育、子供達の教育など、その場で一番必要とされている支援を行っています。その中で最も重要なのは、大きな愛を伝えることです。

罪もない人々が故郷を追われた難民が飢えや寒さを凌げるように、慈濟ボランティアは物資を発送し、彼らの苦しみや悲しみが恨みや復讐へと変わる前に、真心のこもった接し方で、彼らの心にたくさんの愛と優しさが満ちるように願ったのです。

慈濟がトルコでシリア難民の子供に奨学金を提供している学校は、知徳が自然に地中から湧き出る泉に因んで、『砂漠の中の泉』の意味を持つメナヘール中小学校と命名されています。私たちは、子供たちの心が愛に満たされて、さらにその心が砂漠の泉のように、激動しているこの世に生きる人々に愛を分かち合ってほしいと願っています。

訳‧文/濟達