種まき

2015年 5月 26日 慈済基金会
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五月四日みどりの日、まだゴールデンウイークの最中、恒例の山梨県猿橋での有機米栽培の新たな一年がまたスタートを切った。昭和天皇が植林活動を自ら進んで行ったこのみどりの日にふさわしい今日の作業は、米作りの出だし作業である種まき、田植えの前の苗作りです。

苗床作り

午前中の作業目標は、百四十五トレー分の苗床作りを完成させること。専用のトレーに砂を入れ、均等になるように上から手作りプレス道具で体重をかけ、一個、二個、三個と苗のベッドがどんどん完成して、ようやく正午になる手前で目標の百四十五個が完成。畑近くの大きな樹の下でブルーシートを敷き、持ち寄ったご飯で昼食をとる。天気に恵まれた大自然の中で行う農作業の後にとる休憩は格別なものがある。参加するメンバーは初対面でも、午前中の作業ですでに会話を楽しむ中になりました。

種撒き作業

いよいよここからが本題の苗作りの種まき作業です。午前に完成させた苗床にジョーロで水をいっぱい与え、水が専用トレーの底面から垂れるくらいになれば、種を表面に均等になるよう撒いていく。更に上から砂を布団代わりに載せ、種を固定させ、更に上から軽く水を撒く。種にするには、水を一週間漬けさせ、更に種まきの前日に三十七度の水に漬け発芽させるそうだ。更に苗を育てる田んぼの整理作業も無視できない。収穫を終えた田んぼは晩秋から翌春を通してすでに雑草で埋もれていたからだ。

自然農法

除草作業中に坪内さんはイノシシに遭遇したハプニングも笑い話として盛り上がった。ただ単に種まきと言っても実際に我々が参加するまでの前準備は本当に大変だと感じました。有機栽培のお米は一切農薬を使用しません。それがゆえ、雑草の量は一般よりも多い、一層の苦労が垣間見てわかる気がした。この作業をすでに二十三年もやっているから、心底敬服する。坪内さんたちはこの米栽培活動に来る若者に惜しみもなくいろんな話を教えてくれる。その心には、自然への感謝の気持ちは、口だけでなくちゃんと理解して行動のできる人になって欲しいとの思いがあるのではなかろうか。間も無く一ヶ月後には苗が育って、田植えシーズンが到来する。今度は応援に来る人数は二、三倍以上へとなるといいね。

文/鄭文秀