香積おにぎり、本当においしい!

2016年 4月 27日 慈済基金会
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日本の食文化に合わせ、アルファ米御飯である香積飯(こうしゃくはん)を三角のおにぎりにしてみました。カナダ慈済所属の莊立仁氏は台湾花蓮でアルファ米御飯の活用を学び、ここ大津町総合体育館で地元の方々に作り方を伝授。支援団が熊本県大津町に入り三日目を迎えた4月24日は炊き出しの初日。香積おにぎりを召し上がった方から「美味しい」の声が上がり、周りの人へも勧めてくれた。

熱い野菜スープで、食物繊維を

9人で構成する今回の支援団のうち、許麗香氏、陳金發氏、陳量達氏は西原村へ、向かいボランティア募集に関する会議へ出席し、莊立仁氏、廖純瑩氏、陳靜慧氏、吳惠珍氏と大愛テレビのスタッフ呂思萱氏と萬家宏氏の6名は大津町総合体育館で、避難生活をされている方々にお茶出ししながらふれあいを持った。

「お茶おいしいね、香りも味もいい!」と、多くの住民が自宅の片づけに帰り、体育館にいた十数名のお年寄りからの嬉しい言葉でした。ボランティアらが入れたお茶は地元の住民だけでなく、支援中の自衛隊員にも熱いウーロン茶が手渡された。震災以後、ミネラルウォーターを口にする機会が多いであろう避難生活に、お茶が少しでも癒しになればとの思いに、「美味しい」の一言が本当に嬉しい。

地震の後、大津町のスーパーは二日前からようやく営業開始。支援団9名が合流し、一日目の炊き出しが準備された。以前用意した食事では、野菜と果物が不足していたとのコメントから、ボランティアらは3軒のスーパーから食材を調達、避難生活中の皆様に野菜をたっぷり食べて元気になってもらえるようにと、トマト野菜スープを炊き出しの献立とした。

慈済ボランティアの炊き出しを知り、近隣の「ママ友の会」のお母さん約20名が、自らの調理用具とまな板を持って手伝いに来てくれました。更には、北口教授が生徒3人を連れて参加、他にも中学生と高校生が加わり、賑やかな炊き出しとなった。

熊本市に在住の慈済会員である郭麗韻氏も支援に駆けつけました。、地震発生後、郭麗韻氏は一時的に宮崎県へ避難されていましたが、慈済ボランティアが大津町で支援活動を展開しているのを知り、車を4時間ほどの距離を手伝いしに駆けつけてくれました。炊き出し参加者の早田さんは娘さんも連れ、一緒に野菜を切る手伝いをして頂きました。人手も、食材にも恵まれ、今回の献立はスープ一品におかず二品を加え、野菜繊維をたっぷり摂って野菜不足の解消に期待します。

香積飯のシェアリング

いつも取材メモを手放さない陳靜慧氏も、この時はメイン料理長へと変身。大鍋のスープ作りに取り掛かっていた。また、莊立仁氏は近くの空きスペースで慈済発特製のアルファ米御飯の香積飯の作り方を住民の方々に説明し、ボランティアらは香積飯をおにぎりにして日本の食文化にも融合した。

ボランティアらは作ったおにぎりをお母さん方に配りながら、香積飯の由来もしっかりと説明。尚絅大学の平野氏と松本氏は香積おにぎりを手に取って召し上がると同時に「おいしい!」とすぐさま周囲の方へお勧めした。

「日本のお米は一粒ずつがしっかりと分かるが、香積飯はそれとは異なる。でも味付けは非常によく、栄養も高い」と炊き出しのお手伝いに参加された丸田さんはおにぎりを召し上がった後このように話した。

香積おにぎり作りに参加された高校生3人からは、おにぎりがもちもちしているとの感想。一日の活動を終え、これからも慈済ボランティアの活動に協力するとも話していた。炊き出しを終え、かわいい女の子からボランティアらにありがとうと二羽の折り鶴をプレゼント頂いた。

避難所の中では、皆様が力を合わせ協力し合い、互いに面倒を見ている。山口氏は毎日小型トラックに水を積み込んで、炊き出しの際に、食材が洗えるようと協力している。水だけでなく、力仕事も自らかって出てこなしているのだ。復興するまでの間は、このようにしてボランティアしていきたいと話す。炊き出し初日は、約400名に野菜スープと、150個の香積おにぎりを提供でき、これからも被災された方々が元気になるように慈済の熊本での活動は更に展開をしていく。

文/人文真善美志工