フィリピン100回目歯科往診 ホームレスに沐浴散髪を届け

2011年 6月 07日 慈済基金会
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2008年11月から、慈済フィリピン支部が週一度歯科巡回往診を始めました。2011年3月23日に100回目の歯科巡回往診を行い、対象は計順市のホームレスおよび病気にかかっている貧しい人たちです。ホームレスの人たちに往診に参加してもらうため、19名の慈済ボランティアが前日に街頭で対象者に往診の情報を伝え、参加を呼びかけました。無料診察の当日、ボランティアたちはサービス精神旺盛にホームレスに沐浴、散髪、温かい食事の炊き出しをし、家族のような温かさを届けました。

100回目の歯科往診はフィリピン慈済の静思堂で行い、当日は106名の医療関係者、歯科アシスタントおよびボランティアが参加し、242名の人にサービスを提供しました。

サービスラインを拡大 歯科用診療イスの更新
3月23日午前7時、医師およびボランティアたちが無料診察の現場で準備をしていました。いつもの通り、活動が始まる前に、ボランティアたちが診察を待っていたホームレスに温かさを届け、「一家人」という曲の手話をしました。

フィリピン人医会歯科巡回往診は5年前からはじまりました。台湾北区慈済人医会蔡宗賢医師、謝金龍医師および周金元師兄がフィリピンを訪問し、病気にかかっている貧しい人のニーズを実際に見た結果、10台の移動歯科用診療イスおよび関連機材を寄付しました。また、フィリピンの歯科医にその使用方法を教え、無料診察のサービスラインは、歯を抜くことから、虫歯に補填すること、歯を洗うことまでに増やしました。

72歳の周金元師兄は移動歯科用診療イスの開発者です。この機器が数多くのフィリピン人にサービスを提供できるのを見て、非常に喜んでいました。したがって、今回のフィリピン訪問にもさらに新型の歯科用診療イスを持ってきました。

周金元師兄がこう述べました。私は非常に喜んでいます。なぜならばこのような機器はたくさんの子どもたちを助けることができ、彼らの虫歯に補填することによって、歯を抜かなくても済むからです。無料診察のスタッフの一員になり、とてもうれしかったです。

63歳の黃崇智医師が今回初めてフィリピンを訪れました。彼は朝から午後まで無数の患者の歯科疾病を治療しても一言も疲れたとは言いませんでした。逆にずっと喜びの笑顔を見せてくれました。

黄医師によると、100回目の歯科往診に参加できたことを誇りに思います。ホームレスの人たちはやさしい心の持ち主だと信じています。彼らにサービスを提供できてとても喜びを感じています。

同じく初めてフィリピンを訪れた曾婉青医師が、無料診察の当日である3月23日にお誕生日を迎えました。38歳の曾医師は、住む家がなく、路上生活をしているフィリピンのホームレスの人たちに感心しました。なぜならば、大変であるにも関わらず、あかるい気持ちで生活に向き合っているからです。

「今回フィリピンを訪れたことによって、必要な人たちに手を差し伸べることについて啓発されました。100回目の歯科往診の一員になることができて、とてもうれしかったです。」曾医師はこう述べました。

得難いシャワー ホームレスの暑い夏の悩みが解消
35歳のJoan Podredoさんとご主人と6人の子供たち、一家8人の「家」は木の台車です。ちょうどフィリピンでは暑い夏に入り、定住地がない人たちにとっては、シャワーをしてきれいにさっぱりすることはありがたいことでしょう。Joanさんは感謝の気持ちを込めてこう言っていました。「シャワーを浴びることができ、とてもうれしかったです。助けてくれて感謝しています。」また、「みなさん(慈済ボランティア)は親族のようです。なぜならば、みなさんが私たちのことを親族のように扱ってくれますから」と感激していました。

また、22歳の患者Vanessa Pilambatoさんは、ご主人やお父さんと計順市E.Rodriguezの路上で生活しています。彼らは一度違法住居の撤去行動の中で、住むところを失い、くず拾いの路上生活をしています。

お金がないため、Vanessaさんは5年間虫歯の痛みをがまんしてきました。彼女によると、「本当に感謝しています。もし慈済がなければ、私は引き続き虫歯の痛みで泣いていたと思います。みなさんがこれからも慈善活動をしてくださるよう願っています。」彼女もきれいな洋服と洗面道具をもらい、今後体を洗うことには困らなくなりました。

Vanessaさんのお父さん、52歳のVicente氏も抜歯を受けました。今後は歯の痛みを我慢しなくて済むようになり、彼も慈済にとても感謝していました。

自身の微力を尽くし他人を助け 心を合わせて日本のために祈る
ボランティアたちもこの機を活かし、一人ひとりが善の心を発揮し、地震に襲われた日本の被災者たちのために祈祷をしました。ホームレスにとっては小銭ひとつでもとても大事です。にもかかわらず、たくさんのひとたちが募金の呼びかけに応え、合計257フィリピンペソを集まりました(約台湾ドル172元)

寄付金を出したJoan氏がこう述べました。當我們可以付出時,為什麼不做?慈濟已經給我們幫助,所以我們為何不能也幫助別人呢?」「私たちは寄付できるのだからするのですよ。慈済は私たちを助けてくれたのだから、今度は私たちが他の人を助けるのです。」

訳/黄麗容