慈済五十年間の歩みと心志

2016年 5月 02日 慈済基金会
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仏教慈済功徳会は仏陀の「無縁大慈、同体大悲」の心を引き継ぎ、印順上人の「仏教の為、衆生の為」の志を担って、済貧教富(貧しき者を助け、富める者を教化する)の志業に従事している。
1966年、證嚴上人は、出家した五人の弟子と三十名の主婦とで、「仏教克難慈済功徳会」を創立させ、日々の買い物から当時の台湾元五毛ずつを蓄えながら、慈悲と施しの喜びを心を以って苦難を救いながら、四大志業を世界中へと展開していきました。慈善による貧困の救いを手始めとし、次に医療で身も心を健康に、教育で礼節と公徳を教え、更には人文という人間性の豊かさをメディアや書物を通し伝えて参りました。これまで半世紀の間、初心を守り、善の念を持ち続け、その大きな愛の力を世界中へと広げ、今や五十四カ国と地域にて事務所を設けており、九十三カ国と地域へ支援の歩みが刻まれています。

所属する慈済ボランティアらは種族、国境、言語、皮膚の色、更には宗教の信仰をも超え、その大愛の力を以って活動展開をしています。日常では地域のケア活動をし、重大な災難が発生した際には、率先的に救助支援の列へ加わり、社会貢献をしています。最近では、台湾の台南地震、2015年に発生した台風13号の災害、台湾高雄でのガス爆発、復興航空の事故や、更にはネパール大地震、フィリピン強大台風ハイエンの災害、日本東北大地震、四川大地震、ミャンマーのサイクロン・ナルギスの災害、全ての被災支援に慈済ボランティアの足跡があり、自らの手で被災地を支援して参りました。

また、国際難民支援に於いては、慈済ボランティアはヨルダン、トルコ、 セルビア、ドイツ、カナダ等、現地の難民のために、生活物資や医療ケア、更に難民学校を開き、児童の就学を援助しながら、難民家庭の社会適応を支えています。

嬉しくもこの度、慈済五十周年を迎え、この半世紀を振り返えりながら、さらに未来へと邁進して行きます。まずは、「朝山」という巡礼活動―これはお釈迦様の高徳な偉業を讃える意が込められています―を始め、更に「静思時空 慈済万行」をテーマにした展示会を通し、仏法がいかにして世間の真理と融合して行くかを理解しながら、慈済の四大志業を通して善が伝承していく流れを説明しています。更に「潅仏大典」に大衆を招き、お釈迦様のご恩と両親への感謝、そして万物衆生へ回向(えこう)して、世界の平和を祈願していきます。また、《無量義経》の経義をお釈迦様の心と證嚴上人の不動な志として「信、願、行」(信じ、願って、行動へ化すこと)をテーマに表現することを通して伝えています。

大愛の道は宙の果てまで、絆は過去から未来へ続く。慈済ボランティアらの愛は、一歩ずつ邁進し今日までに至りました。これからもこの絆を未来へ、大きな愛として末永く続いていく。どうか世の中が平安でありますように。