證厳上人がルーズベルト協会の「傑出社会奉仕賞」を受賞

2011年 10月 19日 慈済基金会
印刷
證厳上人が全世界の慈済ボランティアを統率し、距離を厭わず、迅速に病や苦難に喘ぐ人々を救う慈悲の精神を行動に移していることを表彰するために、アメリカのルーズベルト協会会長であるアンナ・エレノワ・ルーズベルト氏は10月9日、自ら花蓮を訪れ、證厳上人に「傑出社会奉仕賞」(The FDR Distinguished Public Services Award)を授与した。今回、ルーズベルト協会は初めてアメリカ以外の地域で賞を授与した。

傑出した人道的奉仕団体のリーダーが初めて海外で受賞
ルーズベルト協会(Roosevelt Institute)は1987年に設立され、アメリカ第32代目大統領であったルーズベルト氏が提唱した言論と信仰の自由、飢えと恐怖から開放された世界を実現するために「自由賞」を設けた。そして、2008年に終身人道的奉仕に尽くしているリーダーを表彰するために「傑出社会奉仕賞」が増設された。

表彰式は花蓮にある静思堂の講経堂で行われた。ルーズベルト協会会長であるアメリカの元大統領の孫娘、アンナ・エレノワ・ルーズベルト氏、CEOのアンドリュー・リッチ氏及び役員の徐正群氏が出席した。その日、丁度、慈済基金会の職員の精進キャンプが行われており、慈善、医療、教育、人文の各志業から集まった六百名の参加者もその特別な縁と栄誉を見とどけることができた。

慈済基金会副執行長である王端正氏はルーズベルト協会を歓迎する式辞で次のように述べた:ルーズベルト大統領は言論と信仰の自由、及び飢えと恐怖からの開放という四大自由を提唱した。慈済では四大志業を推進してきた。即ち、生命の尊厳に対して慈善志業、生命の価値に対して医療志業、生命の希望に対して教育志業、そして、生命の修養に対して人文志業を推し進めてきた。四十五年間、慈済は台湾に始まって世界に広まった。体のケアから心のケアに及び、人類に対する関心と思いやりから大自然への関心と思いやりに及んでいる。その理念は「生命の生存権に対する敬意と心の純潔さへの肯定」が基礎になっている。

文化や政治を超えた、善の力の結合
アンナ・エレノワ・ルーズベルト氏は式辞で次のように述べた:今回、「傑出社会奉仕賞」が證厳上人に与えられることになったのは、ルーズベルト協会の役員会全員一致の採択であり、同協会としては初めて、アメリカ以外の国または地域で授与式を行うことにした。彼女は證厳上人がリーダーシップを取り、世界の慈済ボランティアが災害発生時に政治や文化の障壁を乗り越え、迅速に被災地に駆けつけてきたことを感服した。負傷者には医療を、住居をなくした人には恒久住宅を与え、苦しむ人を慰めると共に災害支援を行って被災者に希望をもたらしてきた。2004年のインド洋大津波や2010年のハイチ大地震、2011年の日本の大震災など、災害発生後数時間のうちに慈済ボランティアは現地に駆けつけて支援活動を展開してきており、慈済ボランティアの愛の軌跡は七十二カ国と地域に及んでいる。そして、彼女がそれ以上に敬服しているのは、證厳上人の「世に慈悲を掛け、人を哀れむ」心で以って実際に行動に移し、人類の運命を変えてきた、その精神である。

CEOであるアンドリュー・リッチ氏はこう述べている:ルーズベルト協会が慈済に対して賞を与えることは、二つの「善」の力が結合した象徴であり、それは未来の人類の運命を変えるであろう。役員である徐正群氏が慈済を推薦した理由は、「最も能率があり、行動力がある」慈善団体であり、障害を乗り越え、堅い意志の精神の下に、様々な人道的支援活動を行ってきたからである。そして、彼は特別に慈済ボランティアの無私の奉仕に対して敬意を表すると共に感謝の意を表した。

證厳上人は自ら受賞式に臨み、慈済ボランティアが世界を変えてきたことに対するルーズベルト協会の肯定的な見方に謝意を述べた。数十万人に及ぶ慈済ボランティアそのものが公共奉仕をする人であり、慈済ボランティアが心を一つにして同じ道を同じ志を持って奉仕してきたことに感謝した。また、これからも慈済ボランティアが引き続き人類に奉仕し、「人心の浄化、平和な社会、災害のない世の中」を目指して奉仕の精神を持って欲しいと述べた。

訳・済運