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10月14日
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ペットボトルリサイクル――エコ毛布の奇跡

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人々はこんなにも軟らかく暖かな毛布が、ペットボトルから作られたものであると知ったら、讃嘆して止まないことでしょう。



環境保護ボランティアが懸命に分別作業に励み、支援会ボランティアの紡績の専門家と力を合わせ、自然に還ることのないビニールに再び新しい命を吹き込みました。

ペットボトルと織物、リサイクル
によって結び付けることができる


「地球上の資源は限りがあり、再利用するに越したことはありません。すでに採掘された石油はreuse(再使用)、またはrecycle(再資源化)されるべきです。」紡績業に従事するボランティアの羅忠祐さんはそう話します。市場に出回っているペットボトルは石油から抽出した副産物―ポリエステルを使って作られたものですが、そのポリエステルは織物の材料にもなります。

「ペットボトルを回収し再び溶かすことで、二つの性質は非常に近づきます。」羅忠祐さんは一見簡単には結びつけにくいと思われるペットボトルと織物の間に容易にイコールマークを書き加えました。

一九九七年、紡績業者によってペットボトルの再利用価値が見出されましたが、羅忠祐さんはそのメンバーの一人でした。彼は熱い心を胸に抱き、志と信念を同じくする友人に呼びかけ、ペットボトルの紡績への再利用の研究に打ち込みました。しかしペットボトルの回収過程で分別と洗浄作業が、人手不足のため徹底されず、研究は一時打ち切られました。

二〇〇〇年初め頃、羅忠祐さんはアメリカで行われた紡績展を見に行きました。その時、同業者で慈済ボランティアの黄華徳さんと知り合いました。羅忠祐さんは黄華徳さんに引き寄せられ、二〇〇四年に慈済支援会に加入し、紡績品再生開発の新たな契機を得ました。

羅忠祐さんは「慈済は台湾に四千五百ヶ所以上の環境保護の拠点があり、六万二千人を超えるボランティアがいます。回収・分別作業も徹底しており、我々の抱える問題を解決してくれました」と語ってくれました。ボランティアがペットボトルを回収・分別し、キャップを取り外し、さらに平らに潰します。その後、平らに潰されたペットボトルはビニール加工工場で細かく粉砕・洗浄・分類され、ポリエステルのフレークとなります。それらのフレークは紡績工場に送られ、紡糸・製織・裁断の過程を経て一枚の軟らかくて暖かな毛布が完成します。

エコ毛布は二〇〇六年初めに開発され、二〇〇六年末には量産されるようになりました。一枚の毛布は、重さ約一キロ、長さ二百三十センチ、幅一八〇センチ、約七十八本ペットボトルで作られた。二〇〇八年の九月までに、すでに十五万二千枚以上もの毛布が作られ、その全ては慈済北区環境保護ボランティアの手によって回収されたペットボトルから作られました。

慈済支援会召集人の黄華徳さんは、エコ毛布を作るにあたり、エコであるだけでなく品質にも配慮し、一般的な綿製の毛布よりも軽くて、暖かいものとなりました。現在台湾で冬の救済活動において支給品として用いられている他、パキスタン・アメリカ・フィリピン・スリランカなどへも寄付され、被災された方々のもとへ届けられています。

エコ設計物を本来の姿に蘇らせよう
自然に還ることのないビニールを愛心不滅で生き返らせる
 

ペットボトルと布綿織物は一見全く違うものですが、材料は同じです。ボランティアが回収したペットボトルは、再生・製造工程を経てさらに価値のある命に生き返らせることで、資源は永久に尽きることはありません。羅忠祐さんは、それは大変意義のあることだと考えています。

「ペットボトルから作られたエコ毛布は、衣服のように水で洗って、繰り返し使用でき、使用後は回収し再利用できる。『石油を生成するのは難しいが、ビニールは何回でも蘇ります』。ボランティアがエコ毛布作りにより、環境保護運動に関るばかりでなく、慈善活動にも役に立てる。まさしく『ゴミから黄金を生み出し、黄金が愛情となる』のです。」

台北の大湖公園にある慈済内湖連絡所で、ボランデイア達はそれぞれ毛布製造の工程を司っています――布の引き伸ばし・裁断・拷克、慈済のロゴを入れ、そしてきれいに折りたたんで箱に詰めます。それらを皆の愛情を込めて貨物コンテナに入れて輸送し、必要とされる世界各地へ送られるのです。

支援会の衣料担当部もペットボトル再生の開発をしており、毛布と衣服の他に、ボランティアの制服、病院のシーツ、病院の白衣、看護師の制服などを製造しています。「工場の生産ラインから出された不良品、欠損した衣服など、ポリエステルから作られた織物であれば、全て回収・再利用できるのです。」

羅忠祐さんたちは失敗を重ねつつも、あきらめずに研究開発の道を突き進み、とうとう成功しました。「There is only one planet. 今日迄、宇宙の中で地球だけに石油が埋蔵しています。私たちはそんな地球を愛し、共存して行くべきなのではないでしょうか?」

訳/藤村恵理