【信仰は堅く 真心こめて】
高雄県桃源郷宝山村のセブンスデー・アドベンチスト教会は、長い歳月の間、ブヌン族の村民にとって信仰の拠り所であり、また、同族の結束力を集める中心的存在でもあった。昨年八月に台湾南部を襲った台風八号により、教会が建つ地盤に亀裂が入り、立ち入ることはできなくなってしまった。
二〇一〇年正月最初の土曜日、信徒たちは民家で礼拝を行った。教会の長老たちと牧師は、大難に遭っても信徒として人を助け、社会に貢献する心を忘れないようにと皆を励まし、皆で祈った。
讃美歌を歌い続けるうちに、皆の心も不安から解き離れていった。安住の地を求める彼らの祈りが神に聞き入れられることを願う。
【讃美歌が新しいわが家を包む】
杉林大愛団地の新しい礼拝堂は、もとの礼拝堂を参考に、集落の長老と信徒たちの意見を取り入れて新しく建設された。そうしてできた礼拝堂は思い出を残した美しい建物である。
二〇一〇年の旧正月、大愛団地に引っ越した桃源郷宝山村と茂林郷、那瑪夏郷の信徒たちが一堂に会した。金門や屏東に住む信徒たちも遠路はるばるやって来て、新しい礼拝堂での初礼拝に参加し、セブンスデー・アドベンチスト教会の各区の長老と伝道師が祝福を捧げた。
信徒たちは靴を脱ぎ敬虔な心で新しい礼拝堂に入る。被災してまだ間もない頃、民家で礼拝を行ったときに歌った鎮痛な響きの讃美歌とは違い、今日イエス・キリストに捧げる讃美歌は、喜びに溢れる歌声で、新しい家々に響きわたった。
【引っ越しの日】
いよいよ大愛団地が完成。このお祝いに施療や理髪の奉仕、ブヌン族の手工芸品の展示を行った。
大愛団地入居式当日、ブヌン族の伝統衣装をまとって来賓を迎える入居者たち。この日は在台外国使節や政府役人、軍幹部、慈済ボランティアが出席した。新居の前で行った八部合唱の勇ましい歌声は、人々を感動させた。
この半年間、慈済ボランティアは大愛団地建設に尽力するほか、被災者への慰問や新居への入居手続きのサポートなどをしてきた。二月十日に第一次入居が行われた翌日、慈済は「新居入居を祝う団欒の会」を催した。慈済ボランティアは被災者の新居を飾りつけるために、おめでたい赤色の紙に新春を寿ぐ文句をしたためた。
夕陽が大愛団地の新しい家々を照らす夕暮れ時、三百卓の宴席が設けられ、三千五百人が会食しながら入居の喜びを分かち合った。団地建設に尽くした各界人士が登壇し、祝福の言葉を送った。
文・凃心怡/訳・全妃/撮影・蕭耀華