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10月08日
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都会の蛍

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【地球と共生する】
その二・資源回収をはじめよう

蛍見たさにわざわざ山へ出かける人がいるようですが、都会の真ん中でも見ることができますよ。

都会に住むボランティアの内には、会社が退けてから資源回収の拠点に集まる人がいます。彼らは夜光チョッキ(夜光生地でつくったチョッキ)を着けた夜間ボランティアです。チョッキがきらきらと光って、蛍さながらではありませんか。

企業家、教授、博士、主婦、職人等々、若者だけではなくお年寄りや子どもまでがこのボランティアの列に加わって、無償の奉仕をしているのです。彼らは楽しみながら感謝し合いながら、ゴミの収集所を修行の場として、いやなにおいにも眉をしかめたりしません。福を惜しみ物を愛する人ならではの行いです。

環境保全のボランティアは仏の心をもって地球を愛します。ですから地球が破壊されるのを見るに忍びなく、夜が明けやらぬうちに起きて道路の清掃を始めます。資源となる物は腰をかがめて拾い上げます。腰を曲げる度に心の中でみ仏の名を唱えるのです。一つひとつの動作に念仏を合わせるボランティアたちは、日々修行に励み心身ともに健康そのものです。

五濁(注)の現れる今の時代、世の中の誰もが発心するなら、みんなこの世の蛍ではありませんか。

決して自分の力を軽んじてはなりません。都会に住んでいれば都会の蛍になればよいし、山の上に住んでいるなら大地を照らせばよいのです。海辺ならゴミを拾って資源を回収することができ、海もきれいになります。これらのボランティアこそが、草の根の菩提でありこの世の菩薩であります。

THINKING 51

一つひとつの動作に念仏を合わせ
日々修行に励むボランティアたち
こうして身も心も健康そのもの

(注)悪世における五つのけがれ(劫濁、見濁、煩悩濁、衆生濁、命濁)


文・證厳上人/訳・慮慇
 

" もろもろの侮辱や迫害を耐え忍んで恨まない人は堅実な人であり、どんな人にも、またどんな事にも打ちのめされることはない。忍び耐えることができてこそ、天下の大事を成し遂げることができるのである。 "
静思語