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11月04日
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小琉球――全島で環境保全を

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【地球と共生する】
その二・資源回収をはじめよう

この小さな島が小琉球と呼ばれるようになったのは、海に漂う毬に似ているからだそうです。島には大福、漁福、中福、本福、杉福、上福、天福、南福の八つの村があります。どの村にも福の字がついていますから、八つの福がこの島に集まっているわけです。純朴で善良な島の人々は、ほとんどが漁で生活を立てています。波が穏やかで魚がたくさんとれ、家族にひもじい思いをさせることがないように、と漁師たちは切に願っています。

ある日、慈済の環境保全ブームが海を越えてこの小さな島まで広がってきました。それを機に、島の人たちは和やかな浄土をつくるべく動き出しました。まず身の回りから始め、困難を一つひとつ乗り越えながら愛を広めています。

漁師はたいてい酒を飲むので、海辺には酒の空き缶などが転がっています。慈済のボランティアは海辺の清掃から始め、次いで海上にまで広めました。漁船に乗って海上のゴミを「捕まえ」て陸地に持ち帰り、分別して資源を回収するのです。今では島の到る所で、資源回収に勤しむ人々の笑顔が見られます。

ところで、この小さな島には大規模な回収場がありません。どうすれば回収した資源を黄金に換えられるのだろう、と思案に暮れていた矢先、慈済のボランティアが船長を連れてきました。回収した資源を無料で台湾本島の回収場まで運ぼうと発心したというのです。

船長は地球を護りたい一心で海上を行き来しました。任務を果たした時、長年海風に晒されてきた、いくつもの顔が笑みをたたえて並んでいました。

一念発起して始まった環境保全は、今や全島に行き渡っています。一粒の種が「無量」を生み出しました。「無量」は一粒の種に端を発するのです。己を軽んじてはなりません。いったん発心したなら、心して多くの人の愛を集めることです。そうすれば大きな力量となります。

現在この島には慈済の委員が十数人、慈誠隊員が十人ほどいます。島の人口は九千人ですが、その三分の一に相当する三千人が環境保全ボランティアとなっています。

THINKING 52

一粒の種が無量を生み出す
無量は一粒の種に端を発するのだ
一念発起して始まった環境保全は今や全島に行き渡り
ボランティアの数は島の人口の三分の一を占めている


文・證厳上人/訳・慮慇