
受賞快挙、證嚴上人が臨場するかのように
授賞式は五月十四日オレゴン州のポートランド市で開催される「全米急難救助ボランティア組織年会」の中で行なわれた。司会者は「今年の受賞者は佛教慈濟基金会です!」と読み上げと同時に、両側に設置してあるスクリーンに慈濟を紹介する映像が映し出され、慈濟人にとって最愛の存在である證嚴上人の姿が現れ、まるでその場に臨んでいるかのようでした。慈濟人がその場ならでうけた心の感動は、言葉では言い表せない程だった。
続いて台湾中正記念堂で行われた灌仏会の映像と、アメリカ東海岸サンディ・ハリケーンの時の炊出し現場で撮られた愛に満ちた映像が紹介された。会場に集まった約四百五十名の全米の名だたるボランティア組織の代表たちは、その感動的な映像に心を動かされていた。

NVOAD 全米のボランティア組織の精鋭が集結
今回の主催機構である「NVOAD」は「全米急難救助ボランティア組織」(National Voluntary Organizations Active in Disaster)であり、全米の一〇九のボランティア組織団員が集結したものである。慈濟は二〇〇六年一〇月に正式会員として加入し、機構の中においては唯一の佛教団体でもある。慈濟人が「藍天白雲」の爽やかな制服姿に黙々と奉仕する態度は、現地のボランティアの間でも高い評価を受けている。
「全米急難救助ボランティア組織」は、連邦政府と非営利組織、宗教団体、企業組合、そして学界との仲介の役割を担っている。アメリカの災難対応計画への教育や、推進及び提案などに対して多大な影響力を持っている。組織を率いる主席キンム・ボルゴ(Kim Burgo)女史は曾て二〇一〇年七月台湾の慈濟を訪問したことがある。彼女の訪問は太平洋諸国の一つであるサモア国のペットボトル回収計画のためであり、慈濟の環境保護ステーションを見学し、特にペットボトルの回収から繊維化の工程を経て毛布になるまでの製造過程に興味をもち、自らも回収作業に参加し、話題になった。

また、今回慈濟基金会がノミネートされたのは、アメリカ連邦政府の緊急事務管理署(FEMA)の推薦によるものだった。FEMAは慈濟の救援活動における「感恩・尊重・愛」の精神を挙げて、慈濟によって新たな救災文化を示されたことを称賛。さらに受災者と被害地域において、慈濟が地球を思いやる大切さと環境保護の理念を宣伝した事実も全米の模範に値すると、受賞の理由として挙げた。FEMAは全米の急難救助の中枢であり、連邦政府の緊急事務管理の大役を任されるこの機構から慈濟が推薦されたこと自体、きわめて光栄なことだ。
感恩 栄光を全世界の慈濟メンバーへ

曾てアメリカで慈濟メンバーは「藍衣天使」と呼ばれたが、救援活動を重ねながら、即時の救援と親身な慰め、そして災後にも持続的に行う見舞いで示した行動力などは、アメリカ政府関係者に大いに感動を与えたため、今はむしろアメリカ連邦緊急事務管理署のパートナーになっている。
二十数年にわたる堅実な歩みによって、「藍天白雲」の制服姿に段々とアメリカの民衆が馴染んできた。彼らが徐々に理解し始めたのは、慈濟人の行いは佛教に沿う證嚴上人の教育によるものだということ。「藍衣天使」はすなわち「藍衣菩薩」であり、「覚有情」(情け、思いやりのある)の人間である。全米の慈濟人は授賞式のあの晩に感じ取った栄光は、全世界の慈濟メンバーの数十年の努力によるものであり、證嚴上人及び静思精舎の法師たちが導いてくれたものである。感謝の意を込めて、この栄光を證嚴上人と静思精舎の法師たち、そして全世界の慈濟メンバーに捧げよう!
訳/千賀吉玖子 校正/小坂三千雄‧Isa