超大型台風30号(アジア名Haiyan)がフィリピンを直撃、フィリピン史上最大の災害をもたらしました。被災状況が最も甚大なのは、レイテ島のタクロバン(Tacloban)市、オルモック(Ormoc)市、そしてサマール島(Samar)のギワン(Guiua)島。
11月13日、フィリピン慈済賑災団はマニラから出発、セブ島から船で二時間半をかけて、オルモック被災地に到着し、医療チーム同行の下で賑災活動を行いました。セブ島にいる慈済ボランティアらは、前日の12日にから、セブ島北部の二つ小さな町で無料医療診療の賑災活動を行い、延べ295戸の被災民に見舞金を配布しました。
全台湾から支援物資が集まり フィリピンに愛を届けよう
台湾の慈済基金会は、20万人分の香積飯、3万枚エコ毛布を用意し、緊急支援活動をスタートしました。11月11日、花蓮と台北の慈済メンバーは、それぞれ香積飯とエコ毛布を荷作りし、11月12日、まず3万枚のエコ毛布と6万人分の香積飯を、空軍の賑災専用機で被災地へ空輸しました。
フィリピンのセブ島とマニラ市に慈済賑災指揮センターを立ち上げ、セブ島の指揮センターは、被災地に近く、慈済フィリピン支部現地のボランティア達との連絡、荷物の保管倉庫の確保やボランティア達の移動手段の安全確保などに重要な役割を担っています。
被災で天地変貌 賑災の辛さに喘ぐ
慈済ボラティアにとって、被災地オルモック市までの道のりは、心痛む光景ばかりでした。目に付くのは、壁だけが残された家や、全壊した家屋、或いは屋根が吹き飛ばされた家々でした。収入源となる農作物のバナナや椰子の木も根こそぎ倒され、町の行政ビルも容赦なく破壊されました。電信柱は強風により倒壊し、オルモック市内殆どでまだ停電状態が続き、飲み水も無い状況を見て、ボランティアらはとても心配しました。幸いにも市内では食べ物がまだ十分あり、商店も営業し、治安は維持されていました。しかし被災者にとって医療と生活必需品の不足が直面する課題である事に変わりありませんでした。
無料医療奉仕と炊き出し 被災民にやっと笑顔が
ボランティアの愛心チームは、水や電気の逼迫した状況の中で無料医療奉仕活動を行いました。被災者の方々にとって薬をもらえたことは、悪化の続く衛生環境の中でなにより有難いことだったのではないでしょうか。さらに各戸に2千フィリピンペソ(約1,300NT$)の見舞金を差し上げることにより、被災者の憂えた顔に久々の笑みも見られました。これが慈済の被災地初回の配布活動となりました。
一方、慈済ボランティアは現地の人と緊密に連絡を取り合いました。11月14日、4グループに分けて、賑災チームを2班編成し、1班はオルモック市のナダフウナ(Nadunghulan)で無料医療奉仕をし、もう1班は炊き出しを行いました。千戸余に毛布や衣類等の生活用品を配布する予定で、先ず生活必需品の不足を解決しようとしました。
このような未曾有の天災に直面したとき、上人は「まず、だれもが無事に安全に救援活動をすることです。交通状況や道路の安全を確認し、現地の方の力を重用し、最も近い所から救援活動をすることです」とおっしゃれらました。また斎戒の呼びかけを更に行い、説法を人びとの心に深く取り入れてもらい、人間の世界に万遍なく行き渡らせることでより、心を浄化し、四大調和を成せるよう力をこめて私達に教えてくださいました。
訳/ 竜維拉