慈済基金会は、一ヶ月前に発生した巨大台風「ハイエン」で被害を受けたフィリピン・タクロバン地区を支援するために12月14日から三日間大型配給活動を行ないました。
初日はレイテ興華中学校、サッグカハン・ナショナル・ハイスクール、ロビンソン・プレイス・モールの三拠点にて計8回の配布を行ないました。慈済の慰問金、エコ毛布、インスタントライス、葦草の御座を8千人を超す被災家族に配りました。
フィリピン首都銀行は、慈済の配給活動がスムーズに行なえるようにと、各配給所に臨時カウンターを設置し、行員を派遣して、被災者が慈済の給付証明書を提示すると即座に換金できるように便利を計らって下さいました。その上、同行は配給活動最終日の12月16日、タクロバン付近の営業を休みにし、慈済の緊急支援に全面的に協力して下さいました。
慈済は11月15日にタクロバンに到着し、5日後に有給ボランティア制を導入しました。1ヶ月も経たない間に29万の住民が参加し、被災の痛みから立ち上って、自ら被災地の整理を始めました。有給ボランティアは、給料の500ペソを得て、被災後高騰した物価に対応し、家の修繕材料を購入して、新たなスタートを切ることができました。
タクロバン市は、被災状況がひどく、被害は北から南までにわたり、特に海岸沿いの住宅はほぼ全壊状態です。慈済の有給ボランティア制はアニボン小学校を起点に、最南端のサンホセ地区までに及びました。慈済ボランティアと地元住民が力を合わせ整備した街は、海沿いの街道をも含め、70を超す区域に及びました。
更に、40台の大型トラックや大型ショベルカーなどの重機を手配し、タクバロン市役所の大型ゴミ処理に一役買いました。それによって被災地での病気の蔓延を防ぐことができ、早くもとの生活に戻り、経済活動の回復が期待できます。
有給ボランティア制度(*)導入の他、慈済国際人医団(TIMA)と慈済病院は四回にわたって、住民に大型無料診察を行ない、受診した人が四千人以上に上りました。また、慈済国際人道支援団が開発したインスタントライスは、累計19万を超す方々に配られ、水不足や電力不足の地域で大いに役立ちました。
證厳法師は、被災地の建て直しはまず教育から着手するべきだと強調された。慈済基金会は12月11日より中央小学校、鳴遠中学の簡易教室の建設を始めました。これからタクロバン市で50間の簡易教室が建設される見通しです。簡易教室は5年間使用でき、通風性や安全性を考慮に入れて設計されています。被災地の子供たちが一日も早く快適な空間で勉強できることを願っています。
災難は無情でも人間には愛があります。被災者の皆さんと共に苦境から抜け出せるように、全世界の慈済メンバーは世界各地で募金活動を展開しています。南アフリカ、モザンビーク、ハイチやアメリカ、マレーシアなど44カ国で貧富を問わず、一緒にフィリピン復興支援のために努力しています。慈済はすでに中長期の支援計画を行なっており、被災者たちが一日も早く普通の生活に戻れることを願って止みません。
慈済みの慰問金支給について
被災者人口と状況をよりよく把握するためにボランティアたちは自ら各被災家族を訪問しました。その上、市役所と各地域の長の協力の下、オルモックと同様の支給基準で慰問金が支給されました。
*有給ボランティア制度
被災者の方々が一日も早く立ち直ることを励まし、物心ともに復興できることを願った上人は、日当を払って被災者がいっしょに復旧作業に参加できる制度をつくりました。自ら作業に参加することによって悲しみから希望へと気持ちが変わります。
自立をサポートする制度です。
訳/鄭文秀‧陳美卿