東日本大震災が過ぎ去って早くも三年も経ちました。震災の記念行事として海の故郷創造基金会が鎌倉の建長寺で写真展とバザーの催しを行いました。慈済にも声がかかって催しを手伝うことになりました。
写真で見えた日本と台湾の絆
三年前に未曾有の地震と津波が東北地方を襲った直後、生々しい津波の爪痕を物ともせず慈済のボランティアたちが大挙に被災地に入り、被災者の援助を努めました。世界広しとはいえ、こんなに困難で大規模な援助を行ったのは台湾の慈済しかありませんでした。また、長き日本と台湾の歴史を翻って見ても初めての出来事でもありました。
「しかし、多くの日本人はこのことを良く知っていません。」海の故郷創造基金会の理事長森山一城さんが嘆いていました。彼が日本人に知ってもらうために慈済に写真展を依頼したのです。「この写真展で我々の感謝の気持ちを伝えながら、もっともっと多くの日本国民に台湾人がこの大災難で手を伸ばしてくれたことを知ってほしいと思っています。」
日本の慈済支部が動く
イベントの日が近づくにつれ日本の慈済支部がざわめくようになりました。一週間前からバザーに使われる食材と炊具の準備で忙しく動き始めました。バザーの売上を多くして被災者の一助になれる一心でした。
慈済ボランティアの呂瑩瑩さんが良いことを言いました。「写真展は皆に311の大災難を忘れてほしくないことです。さらにバザーで東北の復興に役立ってくれたら良いではないか、と思っています。」台北駐日経済文化代表処の朱文清さんが「台湾は諸外国の中、義援金を最も多く出した国でした。その上、台湾の慈済が熱心に救援活動を従事したことに大変嬉しく思っています。きっと日本人は皆さんに感謝していると思われます。」と励ましてくれた。
音で心を癒す
主催団体の招きで台湾から二胡演奏家の寥珮瑜さんが来日し、会場に二胡演奏を披露してくれました。311震災で深く傷つけられた心を癒すように美しい旋律が会場を包みました。彼女が演奏後にこう言いました。「ここで演奏するのは舞台の上で演奏するよりも心温まる感じがします。舞台の上はなんとなく冷たい感じがします。また、ここのディスプレーで心も穏やかになれます。」
震災の記憶は深く、辛いものでした。慈済のボランティアはこの三年間綿々と東北の被災者の心の傷が癒されるように努めてきました。台湾慈済の愛の力でした。
文/王秀寧‧張昕瑜
訳/王紹英