はじめに
私は三月中旬、初めてインドネシアを訪問した。慈済の海外活動として建設され、大きな成功を収めたジャカルタの大愛村を訪れるのが、私の念願であった。すでに書物や雑誌等で知識としては知っていたものの、やはり自分の足で歩き、自分の目で見て確かめるのは格別のものがある。現地で案内してくれたのは、慈済インドネシア支部のメンバーの游永興さん、黄禮春さん、趙鎮標さんの三名。とくに游さんには、日本語の通訳をかねて、終始お世話になった。インドネシア生まれでシンガポール育ち、イギリスの大学を卒業した優秀な好青年である。日本語は独学で習得したとのこと。私はまず、游さんと朝十時に市内のホテルで待ち合わせ、ジャカルタ市北部チェンカレン地区にある大愛一村に向かった。